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【書評】『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』の要約と感想・レビュー

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本書はやりたいことがたくさんありすぎて困っている人のための本です。

本書のキーワードであるマルチ・ポテンシャライトとは、複数の分野に興味を持ち、それらをクリエイティブに探求する人のことです。

マルチ・ポテンシャライトは、それぞれ特有の強みを持ちながらも、スペシャリストが求められる現代においては、生きづらさや悩みを抱えることが多くあります。

  • いろんなことに興味があり、やりたいことを一つに絞れない
  • 何かに熱中しても、途中で飽きてしまう
  • 複数の分野で活躍できる仕事をしたい

このような悩みを持つ方に、ぜひ読んでいただきたい1冊です。

あなたも「マルチ・ポテンシャライト」かも?
この記事の内容
  • 本書の要約と5つのポイント
  • 本書を読んだ感想・レビュー
  • 「マルチ・ポテンシャライト」の人生に必要な3要素
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『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』の情報

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  • 著者:エミリー・ワプニック 、翻訳:長澤 あかね
  • 出版社:PHP研究所
  • 2019年3月15日 第1版第2刷発行
  • 単行本(ソフトカバー):288ページ

著者のワプニック氏はTEDトークの講演者としても知られており、彼女の動画はこれまでに880万回以上も再生されています。

『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』の要約とポイント

本書の重要なポイントを、以下の5つに絞ってまとめました。

  • ① あなたも「マルチ・ポテンシャライト」かも?
  • ② 「マルチ・ポテンシャライト」が持つ5つの資質
  • 「マルチ・ポテンシャライト」の人生に必要な3要素
  • ④ 「マルチ・ポテンシャライト」の4つの働き方(ワークモデル)
  • ⑤ この世界で”あなたらしく”生きるために

それぞれの項目について、以下で説明していきます。

① あなたも「マルチ・ポテンシャライト」かも?

マルチ・ポテンシャライトとは、複数の分野に興味を持ち、それをクリエイティブに探求する人のことです。

著者のエミリー・ワプニック氏(以降は、親しみを込めてエミリーと呼ばせていただきます)は、音楽、アート、映画制作、法律といった幅広い分野を学び、現在は講演家、キャリアコーチ、ブロガー、etc. として活躍しています。

エミリーは子どもの頃、大人になったら何になりたい?という質問に悩まされた経験がありました。

というのも、彼女の場合は、将来なりたいものがなかったわけではなく、将来なりたいものが多すぎたことが原因でした

「どういうこと?」と思われる方もいるかもしれませんが、一部の方は「わかる!!」と強く同意してくれると思います。

そんなあなたは間違いなくマルチ・ポテンシャライトです。

エミリーは、コミュニティサイト「Puttylike.com」の創設者であり、世界中の「マルチ・ポテンシャライト」のサポートも行っています。

② 「マルチ・ポテンシャライト」が持つ5つの資質

マルチ・ポテンシャライトには、以下のような素晴らしい資質(スーパーパワー)が備わっています。

  • アイデアを統合する
  • 学習速度が速い
  • 適応力がある
  • 大局観が備わっている
  • 異なる分野の「通訳」になれる

マルチ・ポテンシャライトは、複数の分野に関心があるため、それらのアイデアを融合してオリジナリティあふれるものを創り出すことことができます。

また、好奇心旺盛で学習速度が速く、様々な状況への適応能力が高い傾向にあります。

そして、異なる分野を大局的に見る視点を持ち、他ジャンルを繋ぐ「通訳」としての役割を果たすこともできます。

「マルチ・ポテンシャライト」は、このような素晴らしい資質を持ちあわせていますが、現実で幸せな人生を送る上でいくつかの課題も抱えています。

③ 「マルチ・ポテンシャライト」の人生に必要な3要素

マルチ・ポテンシャライトが「自分らしい幸せな人生」を送るためには、次の3つの要素が不可欠です。

  • お金
  • 意義
  • 多様性

それぞれについて、以下で説明していきます。

「お金」について

まず第一にお金はとても大事です(言うまでもなく)。生きていくために必要不可欠な存在です。

しかし、自分が生きるのにどれくらいお金が必要かは、人によって大きく違います。

なので重要なのは、自分に必要な収入を考えること、そして自分が何を大切にしたいのかをはっきりさせること

これは二番目の要素意義を考える上でも重要です。

「意義」について

マルチ・ポテンシャライトの厄介なところは多くの収入を得るだけでは満たされないという点です(私もよく分かります)。

マルチ・ポテンシャライトが幸せに生きるためには、人生に意義(生きがい)が必要です

自分の好きなこと・自分にしかできないこと・人の役に立っていると思えることなど、何に生きがいを見出すかは人それぞれですが、過去の経験を振り返り、自分は『なぜ』それを有意義を感じていたか?を自問することが、その原動力(意義)を知ることにつながるとエミリーは言います。

「多様性」について

三つ目の要素の多様性は、マルチ・ポテンシャライト特有のものかもしれません。これは1つの分野だけでなく、複数の分野を横断したプロジェクトに取り組むことを指しています。

とはいえ、一言に「多様性」と言っても、複数のプロジェクトを同時に抱えていたいのか、それとも1つのプロジェクトに没頭し、それが達成されてから別のプロジェクトに参加したいのかなど、マルチ・ポテンシャライトの働き方(ワークモデル)にも多様性があります

以上の「お金」「意義」「多様性」の3つをどのように手に入れるか。それがマルチ・ポテンシャライトが幸せな人生を送る上で重要です。

今ここで取り組んでいるのは、キャリアだけでなく人生を設計すること。だから、一歩離れて「理想の仕事やキャリアとは?」と自分に尋ねるだけでなく、「理想の人生、、とは?」と問いかけることが大切だ。

『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』エミリー・ワプニック P.87

仕事に対する満足度が、人生の充実度に直結するマルチ・ポテンシャライトだからこそ、しっかりと考えたい3要素です。

マルチ・ポテンシャライトの人生に必要なお金」「意義」「多様性について考え、自分が経済的、個人的、精神的に何を求めているかをはっきりさせることが重要。

④「マルチ・ポテンシャライト」の4つの働き方(ワークモデル)

本書でエミリーは、マルチ・ポテンシャライトの働き方(ワークモデル)を4つ提案しています。

  • グループハグ・アプローチ
  • スラッシュ・アプローチ
  • アインシュタイン・アプローチ
  • フェニックス・アプローチ

詳細な説明は省きますが、それぞれのワークモデルは次のようなイメージです。

『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』を参考に作成

本書では、これらの説明がかなり詳細にされており(全体の1/3も割かれている)、自分がどのワークモデルに合うのかを考えながら読むことができます。

個性的な存在であるマルチ・ポテンシャライトだからこそ、その人に合った働き方も個性的でかまわないのです。

⑤ この世界で”あなたらしく”生きるために

自分のことを「マルチ・ポテンシャライト」だと受け入れることは、いろんな可能性を秘めているという点で誇らしいことです。しかし、それと同時に、自分が周りと違うことに不安を抱くかもしれません。

本書では、マルチ・ポテンシャライトが抱きやすい不安や、その対処法についても詳しく説明されています。

本書の最後でエミリーはこの本の情報は、自分に合うものだけを取り入れて、残りは無視しようと述べています。

いろいろ実験し、繰り返し試して、自分仕様にしてほしい。あなたの仕事で、あなたの人生なのだからと。

あなたが今、そんな自信をはぐくみ始め、あなたをやり込めるような内外からの声に「対処できそうだ」と感じてくれていますように。何より、「自分の選択を、誰かに納得してもらう必要はない」と理解してくれていますように。「なりたいすべてのものになっていい」と自分に許可を出せたら、あなたの人生はどう変わるだろう? たくさんの情熱に軸足を置いて生きれば、何を生み出し、何を解決できるだろう?(後略)

『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』エミリー・ワプニック P.273-274

マルチ・ポテンシャライトの人生は可能性に満ちています。そのユニークな旅のお供として、本書はよい仲間になってくれると思います。

この世界は、あなたのような「マルチ・ポテンシャルライト」を必要としている!

『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』を読んだ感想・レビュー

本書は「マルチ・ポテンシャライトとして生きていくにはどうすればよいのか?」という問いに対する良い教科書であると感じました。

このブログを見渡していただけると分かると思いますが、私もいろんなことに興味があり、そして飽き性です。

だからと言って自分はマルチ・ポテンシャライトだと言えるほど自信もありませんが、私のような「器用貧乏」にも、このような素敵な名前を与えてくれたことを感謝しています。

読んでいて面白かったのは、本書にはいろんなタイプの「マルチ・ポテンシャライト」が登場する点です。

エミリー自身も多くの肩書きを持っていますが、他にも「医師/アーティスト/読書家」や「NPO勤務/マーケター/空中演技エアリアルパフォーマー」など、異なる分野を横断的に活動している人たちがたくさん登場し、彼らのエピソードを読むのが面白かったです。

個人的に気になったのは、本書の邦題です。もともと原題は「How to Be Everything : A Guide for Those Who (Still) Don’t Know What They Want to Be When They Grow Up」であり、直訳するとなりたいすべてのものになる方法:大人になったら何になりたいか(まだ)分からない人へのガイドブックとなります。

こちらの方が内容がちゃんと伝わり、本当に本書が必要な人たちの手に届くのではと思いました。

とはいえ、本書はマルチ・ポテンシャライトを自覚している人たちだけでなく、少しでも「いろんな分野で活躍したい!」と思っている方にも役に立つ内容なので、気になった方はぜひ手に取ってみてください。

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まとめ

今回は、エミリー・ワプニック著『マルチ・ポテンシャライト 好きなことを次々と仕事にして、一生食っていく方法』の要約と感想・レビューを書いてきました。

いろんなことに興味があって一つに絞れないという方も、本書を読むことで自分に合った適職を見つけることができるかも知れません。

下の記事では、エミリーのTEDトークの講演についてまとめています。もしお時間があれば覗いてみてください。

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最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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