リートン(wrtn)は、ChatGPTやClaudeなどの生成AIを無料・無制限で利用できるAIサービスです。
最近では画像生成AIの「Stable Diffusion 3(SD3)」が導入され、リートン上で高品質の画像を生成することができるようになりました。
ここで気になるのが、「リートンのSD3で生成したAI画像は商用利用できるのか?」ということです。
結論としては、生成したコンテンツの商用利用は可能ですが、いくつかの注意が必要なようです。
今回は、「リートンで生成した画像の商用利用」について、公式に質問して得られた回答をご紹介しています。
リートンで画像生成が可能に
2024年6月28日に、リートンは画像生成AIの「Stable Diffusion 3」をWeb版、iOS版アプリにてリリースしたとの発表がありました。
「Stable Diffusion 3(SD3)」は、Stability AIが提供する画像生成AIです。プロンプト(指示文)を入力することで、自分好みのクオリティの高い画像を生成することができます。
リートンは、SD3を無料・無制限で提供しています。Android版アプリも近日中にリリース予定とのことです。
実際にSD3で画像生成してみた
早速、リートンのSD3を使って画像を生成してみました。
使い方は非常に簡単で、生成したい画像の説明を日本語で入力するだけで、高品質の画像が数秒で出力されます。
以下は、実際に私がSD3で生成した画像とプロンプトの例です。
プロンプト:夕焼けで橙色に染まる空を背景に、窓際でアコースティックギターを持った少女が目を閉じて弾き語りをしている絵を、アニメイラスト風にエモーショナルに描いて。
プロンプト:夕焼けで橙色に染まる空を背景に、窓際でアコースティックギターを持った少女が目を閉じて弾き語りをしている絵を、アニメイラスト風にエモーショナルに描いて。
プロンプト:星空が見える夜空を背景に、窓際で温かいコーヒーを飲んでいるTシャツ姿の少年を、写真のようにリアルに描いて。
以上のように、描画の対象は人物から風景まで、描き方もリアルなものからイラスト風まで自分の好みに指定することができました。
リートンで生成したAI画像の商用利用は可能?
リートンのSD3を利用して、高品質の画像が出力できることが分かりました。
そこで気になるのは、リートンで生成したAI画像の著作権についてです。
リートンのSD3で生成したAI画像は、商用利用できるのでしょうか?
リートンの公式サイトの「よくあるご質問」を見てみると、「リートンで作成した出力結果の著作権はどこに属しますか?」という質問に対して、以下のように回答しています。
リートンで生成した生成物の著作権と使用権はユーザーに帰属いたします。
リートン・コミュニティ | よくあるご質問 データ・著作権について
そのため、個人的用途もしくは商業的用としてご利用いただけます。
この回答によると、リートンで生成した生成物の著作権はユーザにあり、商用利用も可能とのことです。
しかし、SD3で生成したAI画像も商用利用が可能かどうか気になったので、以下のように質問をしてみました。
【質問:SD3で生成した画像の商用利用は可能ですか?】
いつも大変便利にサービスを利用させていただいております。
「よくあるご質問」の「データ・著作権について」の項目に、「リートンで生成した生成物は、個人的用途もしくは商業的用としてご利用可能」との記載がありますが、これはSD3で生成した画像も含まれますでしょうか?
もし可能であれば、個人で運営しているブログ(広告、アフィリエイトあり)に使用したいと考えております。
クレジット表記が必要な場合は、記載事項などを教えていただけますと幸いです。
以上、ご回答のほどよろしくお願いいたします。
すると、リートンお客様サポートチームから以下のように返信がありました。
えのき様
この度は、弊社サービス「リートン」にお問い合わせいただき、誠にありがとうございます。
リートンお客様サポートチームです。
出力データの著作権は当社が既に保有している著作権を除いて、出力データの生成をもって、当社からユーザー様に移転するものとなります。
よって、出力データのご活用に関しましてもユーザー様の判断となります。
上記の点を踏まえた上で、ご活用いただければと思います。
他にも気になる点がございましたら、いつでもお問い合わせください。
引き続きリートンをよろしくお願いいたします。
つまり、上の内容を簡単にまとめると以下のようになります。
- 出力データの著作権は、生成した時点で当社(リートン)からユーザに移転する
- なので、出力データの利用は(著作権を持つ)ユーザの判断に委ねる
私が質問した内容に対して直接的な回答をいただくことはできませんでしたが、SD3の画像を商用利用するかどうかは「ユーザの判断による」というのが、リートン公式からの回答でした。
AI画像をアップロードする前に気をつけること
商用利用する場合に限らず、AIで生成した画像をネット上にアップロードする際は、以下の点に注意すべきだと思います。
- 類似性の確認:生成した画像が他の既存の作品に類似していないか確認する
- 利用範囲の明確化:商用利用する際は、利用範囲を明確にし、過度に複製・配布しない
- 利用規約の遵守:サービスの利用規約に従う(再配布、違法な目的で使用をしない等)
私がAIで生成した画像をブログ等に用いる場合は、「Googleの画像検索」を使用して、似たような画像が無いことを確認してからアップロードするようにしています。
他には、「AI生成画像であることを明示する」などを行うことで、他のユーザの混乱を避けることにつながります。
参考
- 画像・イラスト生成AIの商用利用と著作権で気を付けるべき点は?|BringFlower
- AI画像/AIイラストって商用利用してもいいんですか?【弁護士解説】 – Workship MAGAZINE(ワークシップマガジン)
- イラストや画像の著作権侵害の判断基準は?どこまで類似で違法? – 咲くやこの花法律事務所
- 生成AI画像は類似性が認められれば「著作権侵害」。文化庁 – PC Watch
まとめ
今回は、リートンのSD3で生成した画像の商用利用について、公式に質問してみました。
その結果、「生成したデータの著作権はユーザに帰属しますが、商用利用はユーザの判断に委ねる」といった回答が得られました。
リートンのSD3で生成したAI画像の商用利用も問題はありませんが、類似した作品が無いことを確認するなど、著作権の侵害には注意する必要があります。
AIの進化とともに、それらを上手く活用できるように、適切な利用を心掛けていくことが重要です。