本記事は、前回の記事《今すぐやりたくないことをやる方法【理論編】》の続編です。
前回は「やりたくない」という気持ちが起こる理由について説明し、「作業の山」を登るための「5つのコツ」をご紹介しました。
今回は【理論編】で説明した内容をおさらいし、具体的に「5つのコツ」の使い方を見ていきたいと思います。
【実践編】では、筆者が実際に経験した「やりたくないこと」を例に解説しています。
この記事が少しでもお役に立てば幸いです。
やりたくないことをやる「5つのコツ」(おさらい)
【理論編】では、作業を開始するときに効果的な「5つのコツ」をご紹介しました。
今回ご紹介する【実践編】では、「5つのコツ」を作業に組み込んで、下のような流れで「やりたくないこと」に取り組んでいきます。
やりたくないことをやる方法【実践編】
ここからは、筆者がどのようにして「やりたくないこと」に取り組んできたかを具体的に説明していきます。
今回、取り組む作業は「就活ESの作成」です。
- 準備1やるべきことから注意をそらす
現実逃避は、ある意味で「やるべきことに注意を向けすぎている状態」だと思うので、別の行動をすることで、やるべきことから注意をそらします。
筆者の場合は、好きな音楽を聴きながら、飲み物(エナドリ)を近くの自販機まで歩いて買いに行って気分転換を図っていました。
図書館や作業スペースに移動するなど、環境を変えるのも有効です。 - 準備2作業ログ(進捗確認のメモ)を作成する。
すぐに作業に取りかかるのではなく、「作業ログの作成」という間接的な作業から取りかかることで、やるべきことへの拒絶反応を軽減し、作業を開始する準備を行います。
作業ログは、「時刻」や「終わった作業」を細かく記録していきます。手書きが好ましいです。
- コツ1期日、目標、現状を書き出して確認する
作業を始める前に「現状把握」を行い、現状と目標とのギャップや期日を確認します。
ちなみに、今回の作業開始が「3:15」で、締切時刻が「23:59」までなので、一見余裕があるようにも思えますが、この日は午後に予定があり、筆者としては「12:00」までに作業を終えなければ、就活も終わるという状況にありました。
- コツ2最低ラインの「目標」を再設定する
コツ1で書いた目標は「理想の目標」なので、それを「今から到達可能な最低限の目標」に書き換えます。
「ESを完成させる」と書くと、「完璧に仕上げなければならない」という強迫観念が押し寄せてくるので、「とりあえず空欄をすべて埋める」という最低限の目標に書き換える。
- コツ3作業を分割する
これからやるべき作業を書き出し、それらを自分ができそうなレベルまで分割していきます。
今回の作業では、ESの項目単位で分割しました。
- コツ4簡単なものから取りかかる
分割した作業を、簡単な順(自分が取りかかりやすい順)に並べます。
分割した作業に対して、自分が簡単に取りかかれそうなものから順に番号①~⑥を振りました。
- コツ5過去のものを参考する
分割した作業に対して、「過去に自分が作成したもので参考にできそうなもの」を探し、作業をどのようなアプローチで進めるのかを考えます。
今回の場合は、次のような感じです。
それぞれの作業に対して、なるべくラクに終わらせるための方法を考えます。- ①・②は、別の企業に提出した履歴書をコピペすればOK
- ③は、学会に提出した要旨の内容を削ればOK
- ④・⑤は、別の企業に提出したものを参考に、文字数を合わせればOK
- ⑥は、企業説明のメモを参考に、ネット記事にある志望動機のテンプレに落とし込めばOK
- 確認1作業時間を予想する
コツ5で考えた方法で作業に取りかかるとして、「どれくらいの時間が必要になるか」を予想して、計画が実行可能か検討します。
予想した作業時間が、期日を超えなければ実行可能です。逆に、期日に間に合わないような場合は、以下の対応が必要となります。
- 作業のアプローチを変更する(「誰かに頼む」など)
- 各作業の優先順位を考えて「やる作業」と「やらない作業」を決め、「やる作業」のみ取り組む
時間は限られているため、取捨選択が必要となる場合もあります。上の例では、期日までに終了できると予想しました。
小学2年生の頃の筆者は、夏休みを謳歌するあまり宿題を最終日まで残してしまい、「このままでは明日の期日(登校日)に間に合わない」と直感的に理解し、残っていた大量の百マス計算プリントを「自分でやる」という方針から「母に手伝ってもらう」というアプローチに変更し、なんとか期日に間に合わせたという経験がある。時には、誰かに頭を下げて頼み込むことの重要さを学んだ(夜中まで手伝ってくれた母に感謝)。
- 確認2時間目標を立てる
予想した作業時間をもとに、「作業終了の時間目標」を立てます。
今回の例では、作業開始時間が「3:15」であり、全体の作業時間が「4h」と予想しました。なので、余裕をもって「8:00」までに作業を終了することを目標とします。
- 確認3作業全体のエネルギー図を描く
ここまでの内容をもとに、作業全体のエネルギー図を描きます。
作業全体の進捗を確認するために、上のような図を描きます。今は何の作業をしていて、あとどれくらい作業が残っているかを可視化します。
横軸が時間で、縦がその作業の難易度(=必要となるエネルギー量)を表しています。
作業を1つ終えるごとに、赤線の曲がり矢印を書いて山を越えていきます。
上の図では、⑥志望動機をラスボスに据えて、そこまでの作業を「8:00」までに終えることを目標としています。また、見直しや提出も含めると全体で「10:00」までに終了することを目指しました。 - 作業作業に取りかかる
上記の準備を経て、ようやく作業に取りかかっていきます。
1つの作業が終わるごとに「作業ログ」に時刻を記入し、エネルギー図の矢印を追加していきます。ここまで来れば、それほど抵抗感なく作業にとりかかれるはずです。最初は簡単なものから片づけていき、残った難しい作業は「これを乗り切ればもうすぐ終わる!」と思いながら、ひたすらゴールを目指して頑張りましょう。
- 終了作業終了
やるべき作業が全て終われば、もう苦しむことはありません。
忘れないうちに提出まで済ませておきましょう。 - 振り返り作業計画の振り返り
余裕があるときに、作業計画の振り返りを行う。
予想時間と実際にかかった時間とのギャップ、最も時間がかかった作業は何か、もっと効率よく作業を進める方法はなかったか、などの振り返りを行います。これを行うことで、自分の作業効率を客観的に把握することができ、また同じような作業をするときに参考にもなります。
以上で全工程の終了です。おつかれさまでした。
おわりに
ここまで読んでいただいて、多くの方が「めんどくせぇ!!」と思ったのではないのでしょうか。
たしかに、本来の作業以外に余計なものがプラスされており、より労力や時間が必要となるのは事実です。
しかし、「やりたくないこと」を始めるには、相応の準備が必要です。どれだけ面倒なものであっても、現実逃避が続くよりはマシだと思います。
それでも私のように作業を始められずにいる方に、次の言葉をご紹介します。
一度始めてしまえば、半分終わったも同じ。
名言ナビ – 一度始めてしまえば、半分終わったも同じ。
(Once done is half done.)
やりたくない作業をする上で、一番苦しいのは作業に取りかかる瞬間です。そこさえ乗り越えることができれば、もう作業の半分は終わったようなものです。
現実逃避をしている今もつらい状況だと思います。なので、何とかして最初の一歩を踏み出しましょう。
私も頑張ります。