思いがけず秋田新幹線こまちに乗れました
福島駅を発車してからは、米沢駅や山形駅でも、40分近くの乗り換え時間があった。
米沢駅では、日が傾き始めた駅のホームの椅子で大人しく電車が来るのを待ち、山形駅では、そういえば前に来たときもこんな雰囲気だったなぁと、改札を出て辺りを軽く散歩しながら見て回った。気が済んだところで、電車に乗り込んだ。
そして、最後の乗り換え駅である新庄駅(山形)に着いた。元々の計画では、ここから秋田駅まで、乗り換えなしで行けるはずだった。しかし、先日の豪雨の影響で、この路線が一部不通になっており、新庄駅からは大曲駅(秋田)までしか行くことができなかった。
実はこの情報は、出発する前に秋田の友人から知らされていた。そして、その区間で臨時バスが出ていることも知っていたので、行けばなんとかなるだろうと軽く考えていた。
そんな中、新庄駅を発車してから、スマホで大曲駅からの移動について調べていたところ、以下の記事を見つけた。
なんと、これは無料(青春18きっぷは別)で秋田新幹線に乗れるということではないか……!?
期待に胸を膨らませながら、暗くなってきた窓の外を眺めつつ、大曲駅まで電車に揺られて過ごした。
大曲駅に着いたところで、改札の駅員さんに「秋田駅まで行きたいんですけど……」と、青春18きっぷを見せながら言うと、「秋田駅ですね~」と言って、”業務連絡書(乙)”と書かれた紙を渡された。連絡事項には次のようにある。
本券所持のお客さまは、
大雨による奥羽本線運休のため
こまち号への便宜乗車を
お願いします。
この紙のおかげで、追加料金なしで秋田新幹線こまちに乗ることができる。今日は東北新幹線やまびこにも乗ったので、個人的にかなり得した気分だった。
この紙を新幹線改札の駅員さんに見せて、ホームでこまちが来るのを待った。時刻はすでに22時をまわっていた。昼間に比べると涼しくはなっていたけど、それでもまだ汗がにじんでくる。
駅構内の自販機で買った「福島あかつきもも」ジュースをいただく。2023年6月6日から駅の自販機に置かれているらしい(参考ニュース)。100%ストレート果汁ということで、飲みごたえがあった。
こまちが駅に到着し、待っていたところから一番近くの車両に乗り込んだ。自由席を探そうとしたが、どうやらこまちは全席指定席らしかった。じゃあ今回みたいな場合はどうしたらいいんだろう……と思ったけど、僕が乗り込んだ車両には乗客は一人もおらず、こまちの次の停車駅が終点の秋田駅だったので、どこに座っても大丈夫そうだということに気付いた。適当な席に座ることにした。
座席の背もたれをいい感じの角度に傾けて、ふぅ~と大きく息をついてもたれかかった。この状態のまま、あと30分もすれば秋田駅に着く。横浜を出てから、いろいろ想定外のこともあったものの、何とかここまで来れてよかった。そんな安心感と疲れから、いつの間にか浅い眠りについていた。
秋田駅に到着!
気が付いたら、秋田駅に着いていた。
新幹線こまちから降りて、改札を通って外に出る。もう時刻が23時をまわっていたので、人は少なかった。強いて言えば、見かけるのは旅行客くらいか。
駅の構内を眺めながら、そういえば数年前もこんな感じだったなぁと、遠い記憶を思い出す。竿燈の提灯がたくさんあったのはよく覚えていた。
ここから、今日の宿であるネットカフェ(快活CLUB 秋田新国道店)まで歩いていく。秋田駅からの距離は約3kmで、徒歩で40分くらいかかる。旅の計画を立てるときは、3kmくらいならいけるだろうと思っていたけど、実際に歩いてみるとかなり距離があった。それに10時間以上も電車で移動した後だから、体力的にも結構疲れていた。
それでも行くしかないので、秋田県立美術館や千秋公園を横目に見ながら、快活CLUBを目指してひたすら歩く。
快活CLUBに着いたのは、0時少し前だった。この時点で席はほとんど満席で、空いているのがマッサージ席(マッサージチェアがある席)しかないとのこと。「フルフラット席(マットの上で寝転がることができる席)が空いたら教えてもらえませんか?」と店員さんにお願いをして、マッサージ席に通してもらうことに。
ちなみに、快活CLUB 秋田新国道店は、事前に鍵付完全個室のWeb予約ができるので、あらかじめ予約を取っておくのもいいと思う。ただし、鍵付完全個室ではドリンクバーの飲み物が持ち込めなかったり(外で自分で買った飲食物は持込可)、予約の手間がかかったり(と言っても簡単にできるんですが)ということがあるので、僕が鍵付完全個室を利用することは少ない。
幸い、今回はマッサージ席に入ってから1時間後にフルフラット席に空きが出たとの連絡を受けて、席を移動することができた。どうしても最初から寝転べる場所を確保しておきたいという方は、鍵付完全個室のWeb予約をしておくのがおすすめです。
朝から家を出発して、やっと寝転がることができる場所までたどり着いた。今すぐにでも横になって寝たかったけど、今日使ったお金の計算や、明日の予定を立てたりと、まだまだやるべきことはあった。
とはいえ、頭も働かなくなっていたので、少しだけ休むことにした。今日あった出来事を思い出しながら、秋田に来たんだなぁ、としみじみ思う。
昔は、旅に出るときは、どんなトラブルが起きても大丈夫なように綿密な計画を立てていたけど、どれだけ周到に準備をしても、予想外の出来事は起こる。今日だって、いきなり東京で電車が止まるとは思わなかったし、福島でカヌレ買う予定もなかったし。そして何より、家にベルトを忘れてきたのが大きな誤算だった。
それだったら、大まかな計画だけ立てて、あとは流れに任せたらいいじゃん!という考えになって、そのテンションで今日に至る。今日もそれで何とかなった。明日もきっと何とかなる。という感じで、人生もこのくらい気楽に考えることができたらいいんだけど……笑
さて、明日は男鹿半島(秋田県の日本海側に突き出ている半島)に行って、「ゴジラ岩」を見に行く予定。それから、夜は秋田に住む友人に会うことになっている。
青森・秋田ひとり旅 1日目はこんな感じ。明日も良い旅路でありますように。